2009年11月04日

大島紬の不思議〜その3〜

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 
    意外と知らない着物の話し
         第51号 2009/11/4
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


我が家の愛猫の食欲は、夏と冬で大きく違います。

夏場は病気かと心配するほど食べなくて、頬はこけ、
顎は尖り、お腹はぺしゃんこ。

それが冬になると一転。同じ猫とは思えないほど
食欲が旺盛になります。当然体は大きくなり、顔も
丸く、首周りにいたっては、立派なメタボオヤジです。

冬場は脂肪を蓄えることで、寒さを乗り切る、って
ことなんですかね。

そういう調整脳力はスゴイと思うのですが、早くも
貫禄がつき、ふてぶてしい顔つきになってきた愛猫を
見ていると、この先の数ヶ月間がやや心配に。。。

冬はこれから。飼い主ともども、”横の成長”に
歯止めをかけなければ、と思う今日この頃です(汗)


今日のテーマ============

■大島紬の不思議〜その3〜

==================


今更ですが、大島紬は鹿児島県の特産です。
デパートの物産展で見かけたことがある、という方も
いらっしゃることでしょう。

ところでこの大島紬、奄美産地と鹿児島本土の産地とで
大別されるということをご存知でしょうか?

両者の違いを表すのが「証書」です。

反物の端に、ラベルのようなものがくっついているのを
見たことがありませんか?
それが証書です。

産地や素材など、反物の特徴が書かれていることが多く、
言ってみれば、反物の身分証明書のようなものです。

ここに、産地が奄美のものには地球儀のマーク、鹿児島
本土のものには旗のマークが記されているのです。

一般的には「地球儀印」「旗印」、と呼ばれています。

これはどちらも「本場大島紬」であることの証明で、
優劣を表すものではありません。
つまり、これらのマークが記されていれば安心、と
いうことです。

ここでちょっと脱線。
反物を仕立ててもらうと、残った生地と一緒に証書も
戻されます。
生地は「何かに使えるかも」などと大事に保管されることが
多いと思うのですが、証書はポイっとされがちですね。

でもこれ、扱いは逆です。
特に「フンパツしたなぁ」などという反物でしたら、証書
こそ大切に保管してください。
一番良いのは、仕立てあがった着物と一緒にしておくことです。

なぜかというと、例えば将来、何らかの理由で着物を手放す
ことになった場合、証書の有る無しで価値が変わってくる
ことがあるからです。

ブランドのバックだって、一目でブランドとわかるから価値が
あるんですよね。
ロゴやタグがなくて、ブランドと判断できなかったら、ブランド
としての価値を見出すことは難しいでしょう。

着物にとって証書は、その価値を判断するための大切なデータ
になります。
かさばるものでもありませんから、残しておくことをおススメ
したいですね。

ところで、反物の証書についてピンとこない、という方は
呉服店で反物を手にとってみてください。
どの反物でも、巻いた状態で一番外側にあるはずですから
すぐ目に付くと思いますよ。

なんだか今回は余談が多くなってしまいましたね(笑)
軌道を戻し、次回につづく。。。



*最後まで読んでいただき、ありがとうございました。*
*2週間後にまたお会いしましょう。        *


○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ 
                            
   初心者にとっても優しい着物オンラインショップ   
   「きものハーモニー」 http://www.kimono-h.com       
                           
● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●

posted by 着物カウンセラー at 02:05 | Comment(2) | TrackBack(0) | 着物の種類

2009年10月21日

大島紬の不思議〜その2〜

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 
    意外と知らない着物の話し
         第50号 2009/10/21
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


季節の変わり目というのは、ただでさえ体調を
崩しやすいものですが、今年は新型インフルエンザの
流行もあり、体調管理がより大切になっていますね。

先日、近所の診療所の前を通ったら、順番待ちの車が
ずらりと並んでいました。
小児科があるため、余計に混雑しているのでしょうが、
テレビで見る光景がこんなに身近に迫っているのかと
思ったら、ちょっと怖くなりました。

でもそのわりに、街でマスクを使用している人を
見かけることは少なく、なんだか不思議です。

一時期は店頭から消えるほどの勢いで売れたはずの
マスク。
いったいどこへ行っちゃったんでしょうね〜(笑)

とにかく、どんな病気であれ、予防できるものは
予防しておいた方がいいですよね。
みなさん、お互い気をつけましょう!


今日のテーマ============

■大島紬の不思議〜その2〜

==================


前回のメルマガでは、大島紬がとても高価だという
ことをお話ししました。
「そんなことは百も承知」とか「どうせ買えないんだ
から関係ない」とか、様々な意見があろうかと思い
ますが、もう少しお付き合いください。

今回は、大島紬がなぜ高価なのか、その理由をお話し
したいと思います。

大島紬と言ってまず頭に浮かぶのは「泥染め」という
独特の染色法です。
これは読んで字のごとく、泥で染めるわけですが、
泥遊びのようなわけにはいきません。

まず、車輪梅(しゃりんばい)という奄美地方特有の
植物(地元ではテーチ木と呼ばれている)を煮出した
ものに20回漬け、その後で奄美の泥に1回漬けます。

これを一つの工程として、4回繰り返したところで、
ようやく染め上がります。
これだけでも気の遠くなるような作業ですが、これは
単に反物が出来上がるまでの”染め”というほんの
一部の工程にすぎないのです。

一般の反物は、織りあがった布に色を染めたり、
刺繍(ししゅう)を施したりします。

これに対して大島紬の場合は、まず絣筵(かすりむしろ)
と呼ばれるものを織ります。
これは染めたくない部分を白いままで残すための作業で、
非常に強い力が必要なことから、男性が担当する仕事です。

この絣筵を染め、染めたものを解き、あらためて反物
として織るわけです。

感単に書きましたが、反物が織りあがるまでの工程数は
30〜40とも言われ、それぞれを専門の職人が担当し、
図案から完成までに費やす時間はおよそ半年。
まさにビッグプロジェクトです。

いかがでしょう?
大島紬が高価である理由、おわかりいただけましたか?

伝統的な染色方法と、世界にも類を見ない緻密な絣。
この二つが大島紬の大きな特徴で、特に絣については
「絣の宝石」とも呼ばれ、全国的に高い評価を得て
います。

詳しく知れば知るほど、細かい手作業と高い技術に
圧倒され、”高い”なんて言えなくなるのです。

ただ、どうしても気になるのは、いったい誰が
『泥に漬ける』なんて大胆なことを思いついたのか、
ということ。

このことに関しては、今のところ正確な資料が
見つかっていないそうです。

『紬着用禁止令が出た際に、没収されてはいけない
と思った女性が、紬の着物を泥の中に隠したところ
美しい”カラスの濡羽色”に染まった』

ことが始まりという説もありますが、実際のところは
どうなんでしょうね。

多くの発明が偶然から生まれたように、泥染めもまた
偶然の産物なのかもしれません。
それはもしかしたら、神様から奄美の人たちへのプレゼント
だったのかもしれませんね(^^)

大島紬については、もう少しお話ししたいことがあります
ので、続きはまた次回。
どうぞお楽しみに!



*最後まで読んでいただき、ありがとうございました。*
*2週間後にまたお会いしましょう。        *


○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ 
                            
   初心者にとっても優しい着物オンラインショップ   
   「きものハーモニー」 http://www.kimono-h.com       
                           
● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
posted by 着物カウンセラー at 16:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 着物の種類

2009年10月07日

大島紬の不思議〜その1〜

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 
    意外と知らない着物の話し
         第49号 2009/10/7
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


10月に入り、パッとしない天気が続いています。
そのせいかどうかはわかりませんが、毎日眠くて
仕方ありません。
私にとっては春眠のみならず、秋眠も暁を覚えず、
といったところです。

電車やバスで乗り過ごすなんていうのは当たり前。
(威張ることじゃないですけど)
先日は、パソコンに向かっていて、椅子から転がり
落ちて目が覚めました。(汗)

自分でも信じられないような寝方が多発していて、
我ながら呆れる始末。
寝不足をものともしなかった頃が懐かしい。。。
そんなもの思いにふける秋なのでした。


今日のテーマ============

■大島紬の不思議〜その1〜

==================


衣替えが済んでも、まだ厚手の袷には早いと感じる
この季節、無性に着たくなるのが大島紬です。
とはいえ、「大島紬=高い」という計算式が浮かぶ
高級呉服。
そう簡単に手が出るシロモノではありませんね。

井原西鶴の「好色盛衰記」(1688年)には
当時の装いがこんな言葉で表現されています。

『黒羽二重に三寸紋、紬大島長羽織』

女遊びに余念がない、粋人たちのお洒落アイテムの
一つに大島紬が挙げられているのです。
遊びにお金を使えるということは、それなりに
余裕があるということでしょうから、一般庶民から
見れば”憧れ”的な存在だったのかもしれません。

そんな粋人たちが好んだ大島紬もまた、庶民には
”高嶺の花”だったのでしょう。
大島紬は元禄の世から「高級品」だったことが
うかがえます。

ところで、アンティーク等で、古い男性用の羽裏
(はうら・羽織の裏地)を見たことがありますか?
渋くて地味な表地に対して、羽裏の美しいこと!
繊細で大胆、そして斬新な羽裏の模様には、思わず
うっとりとしてしまいます。

きっと、当時の女性もまたうっとりとしたこと
でしょう。

”お洒落な人は見えないところに凝る”
とはいうものの、本当に誰も見てくれなかったら
お洒落の意味がないわけで、羽織をさっと脱いだ
ときに、チラッと人目に触れる、その瞬間を
意識してのお洒落だったのではないでしょうか。
何とも粋で贅沢な話しです。

なぜこんな羽裏の話しをしたかというと、
大島紬を好んだ男性と、羽裏に凝った男性とでは
相通じるものがあると思ったからです。

粋でお洒落で経済的にもそこそこ余裕があって、
何と言っても女好き!
どんなにかカッコ良い着こなしをしていたこと
でしょう。想像するだけでも楽しくなりますね。

話しがずいぶん広がってしまいましたが、つまり
大島紬は、古の時代より、一部の限られた人たちが
楽しむことのできる高級品だった、というところに
行き着きます。

そのことを顕著に表しているのが、享保5年
(1720年)に発令された「紬着用禁止令」です。
これは薩摩藩から奄美諸島(大島紬の産地)に
出されたもので、”役人は紬を着ても許すけど、
下の者はダメ”という内容のものです。

このことからも、大島紬がいかに希少で高価なもの
だったかがうかがえますよね。

さて、今回は大島紬がやたら”高い”という印象を
強めてしまいましたが、それにはもちろん理由が
あります。

そのあたりの詳しいことは、次回につづく。。。



*最後まで読んでいただき、ありがとうございました。*
*2週間後にまたお会いしましょう。        *


○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ 
                            
   初心者にとっても優しい着物オンラインショップ   
   「きものハーモニー」 http://www.kimono-h.com       
                           
● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
posted by 着物カウンセラー at 14:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 着物の種類